熱田神宮に参拝された両陛下(現在の上皇ご夫妻、2005年7月、写真/共同通信社)

 17の神社のなかでも、今年4月に上皇上皇后両陛下が退位の報告のため参拝された伊勢神宮は別格の存在だ。皇室の祖先神とされる“天照大御神”が祀られているほか、皇位継承を象徴する宝である「三種の神器」のなかで、最も尊いとされる「八咫鏡」も安置されている。さらに、2017年6月からは、両陛下の長女・黒田清子さんが祭主に就任し、天皇陛下の代わりとして天照大御神に仕えている。

「伊勢神宮内にある125の社のうち、7社で御朱印を戴くことができます。しかし、三重県内各所に社が点在しているようなイメージで、7社すべてを回ろうとすると、100km近く移動することになります。全部集める場合は1泊2日はかかるでしょう。

 1日しか行けないという場合は、外宮と内宮の2か所だけでも充分。両陛下も、伊勢を参拝される時は外宮と内宮を拝礼されています。参拝する順番も、両陛下と同様、外宮から内宮の順がいいでしょう」

 外宮、内宮は、週末には駐車場が3時間待ちになることもあるというので、きちんと参拝するためにも、時間にゆとりを持って出かけたい。

 勅祭社と両陛下の間にも、さまざまな思い出がある。1994年に近江神宮を参拝された際は、両陛下が楼門をくぐると、参道を埋め尽くす奉迎者から万歳三唱が巻き起こった。美智子さまは、一人ひとりを見つめるように笑顔を向けられたという。

 2003年には、おふたりで出雲大社の本殿を参拝された後、2000年に境内から出土した心御柱と土器を見学され、権宮司の千家和比古さんの説明に身を乗り出すようにして耳を傾けられたこともあった。

「出雲大社は天皇家の直接の先祖ではありませんが、日本を開拓したといわれる“大国主命”が祀られているので重視されているのでしょう」

 同社権宮司・千家国麿さんのもとには、2014年に高円宮家の典子さま(当時)が降嫁されている。

「近江神宮は、昭和天皇がつくられた神社で勅祭社のなかで最も新しい。天智天皇(中大兄皇子)を祀った神宮です」

 御朱印集めの醍醐味は、すべてを集める達成感以上に、日本の歴史を深く感じられることにある。参拝の証と旅の思い出を大切にしていれば、御利益にあずかれそうだ。

※女性セブン2019年6月27日号

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