また、特別捜査班の刑事・村瀬健吾役の津田寛治(53才)は6月13日に行われた打ち上げを欠席。一部スタッフの間では「あの様子では来ないのも無理はない」と囁かれていたという。津田はある日の撮影終了時、スタッフたちの前で「このシリーズがここまで続いてきたのは、前作までの監督の力が大きい」と話したそうで、わざわざ今作の監督の耳に入るように発言したと思ったスタッフもいたという。
そんな空気に誰よりも責任を感じていたのが、井ノ原だった。そもそも、このドラマの撮影現場はかなりストイックなことで知られる。『9係』の時は、渡瀬さんが現場を仕切り、“最高の作品を作りたい”という熱い思いから、共演者やスタッフに対して怒号を飛ばすこともあったという。
主演のバトンを引き継いだ井ノ原は、そんな“渡瀬イズム”も継承していた。
「渡瀬さんは2015年に余命1年という宣告を受けながら、2016年のシーズン11を演じ切りました。翌年も出るつもりで病室に台本を持ち込み、せりふを完璧に覚えていた。その矢先に亡くなり、井ノ原さんをはじめ関係者は号泣しました。
昨年のシーズン1の撮影時は、現場に渡瀬さんの遺影を置き、渡瀬さんから叱咤激励を受けているような気持ちになりながら、みんなが一枚岩になって高視聴率をキープしました。不安や重圧から解放されたのも束の間、シーズン2を前にして“前作以上の結果を残さないと”という大きなプレッシャーが井ノ原さんにはあった」(別の番組関係者)
実は、シーズン1の時から、井ノ原のアイディアで脚本を変更することがたびたびあったという。せりふだけでなくシナリオの内容を変えることもあった。スタッフはその都度調整を迫られたが、“渡瀬さんの遺言”をしっかり実践していこうという井ノ原の作品への強い思い入れを感じていたという。
「シーズン1を乗り越えて、井ノ原さんは名実ともに座長となりました。スタッフは監督人事について、井ノ原さんには事前に相談をしていたはずです。ただ、2014年も共演しているほかの共演者への気遣いを怠り“座長”ありきの選択になってしまったのかもしれません。井ノ原さんとしては、よりいい作品になるためにと、スタッフや監督の入れ替えも受け入れていたはず。でも、それがきっかけで現場の折り合いが悪くなってしまったことに、彼のことですから少なからず責任を感じているのではないのでしょうか」(前出・別の番組関係者)