それにしても深田さんは年齢不詳。くすみゼロの肌、つるつるの質感。まるで純度の高いシリコンの皮膚のよう。目玉は動くが目尻や眉間にはいっさいシワが寄らない。しゃべる時は口を半分くらいしか開けず、その幅はいつも一定。土台の表情がカッチリと定まっていて、大きく乱れたり崩れたりしない。そう、有機的な生き物というよりも、アンドロイドに近い印象と言ったら言い過ぎでしょうか? ふと石黒浩大阪大学教授の自律対話型アンドロイド・ERICAの顔を思い浮かべていました。
もちろん、深田さんをけなしているのではありません。半端ない作り物感が、表現における「異化効果」となって視聴者をくすぐる。どこか不思議な違和感となって、何度でもしげしげと画面を見つめてしまうのです。
若作りとか美魔女、アンチエイジングとはちょっと次元が違います。美魔女はどこか無理してる感じがあり痛々しいけれど、深田さんには葛藤も悲壮感も感じない。良い意味で空っぽな器。だから、何にでもなれる。それが深キョンの持ち味であり自然なありさまなのだと、今回のドラマを見て納得しました。
もはや独自性の高い魅力に昇華している芸風が、存分に活かせそうな今回のドラマ。どうかこのまま誰も追いつけない路線を突き進んで欲しいと思います。