ジャニー氏も、陰ながら秘蔵っ子のことを見守っていた。今年1月、爆笑問題がジャニー氏の誘いを受け、『ジャニーズKing&Princeアイランド』を観賞。終演後、対面した太田光が「トシちゃんがよろしく言ってました」と伝えると、ジャニー氏は「お世話になってます」と返答したという(平成31年1月17日深夜放送 TBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』より)。そんな言葉が即座に出てくるほど、独立しても思い遣っていたのだ。
令和初めての全国ツアー初日のライブで、58歳の男は20代の頃のヒット曲をほとんど当時の振付のまま魅せた。
ステージで踊りまくった後、「勝負はこれからですから」と未来を見据えた田原俊彦。“ジャニー喜多川の夢”を体現する男の道は、これからも続いていく。その勇姿を、稀代のプロデューサーも天国から見守っているはずだ。
●文/岡野誠:ライター・芸能研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)は3刷に。関係者への取材で、ジャニー喜多川氏と田原がレコーディング時に意見を戦わせた逸話、『哀愁でいと』『抱きしめてTONIGHT』などでのジャニー氏に関するエピソードも豊富に綴っている。