「かつて金日成は『カックン理論』というものを提唱していたことがあります。“カッ”は朝鮮の知識層が被った伝統的な帽子で、“カックン”は顎紐のこと。韓国の力を奪うためには、日本、米国のどちらかを切ればいいという理論です。紐の一方だけ切れば韓米日の三国間のバランスを崩すことができる。文大統領はこの金日成の理論を踏襲する形で反日活動を行なっているように見え、韓国に不利益な政策ばかりを行なう」

 では経済摩擦に発展した日韓関係はどうなってしまうのか。

「日本は技術立国として長い歴史を持ち、その技術力で多くの物を作ることができます。一方で韓国経済の歴史はまだ浅く、技術の数も少ない。しかもその経済構造は“サムスン共和国”と言われるほど歪で、半導体でサムスンが不調となれば韓国経済に甚大な影響を及ぼす。そんな状況下で経済戦争を始めれば、まさに韓国経済を滅ぼしかねない事態になる。韓国経済は隣国(日本)の助けを得て成長してきたことを忘れてはいけない」

 まだまだ経済の奥行きでは韓国は日本経済に及ばない──そう李大根氏は語った。

●取材・文/赤石晋一郎(あかいし・しんいちろう):「FRIDAY」「週刊文春」記者を経て今年1月よりフリーに。南アフリカ・ヨハネスブルグ出身。

※週刊ポスト2019年8月30日号

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