「解散はしてほしくない、というのが本音です。原因をつくった私にそんなことを言う資格はないのですが…余談いいですか? TOKIOってジャニーズの中では異質なグループなんですよ。
デビューしてからずっとジャニーさんに“YOUたちつまらないね”って言われ続けていた私たちは、必死に頑張ってきました。音楽活動、俳優、バラエティーにMC、そして農業や漁業だってやってきた。活躍の場が広がって、ファン層も広がりました。
地方ロケに行くと、農家のかたや漁師のかた、子供も大人も関係なく“TOKIOが来た!”って喜んでくれる。ライブでは4世代で来てくれるんです。ひ孫から、ひいおじいちゃんまで。老若男女が“TOKIOの山口くんだよね”って声をかけてくれる。普通、タレントやミュージシャンのファンは一定の層です。こんなアイドル、ほかにいませんよ。
TOKIOの活動のメインって音楽なんですよ。日本武道館でのコンサート回数記録はトップ5に入っているし、デビューした1994年から24年間ずっと紅白歌合戦に出てきた。ただのアイドルとは違う…私はそれを壊してしまったんです。
今さら復帰? できません。どんな顔してメンバーに会えばいいんですか? 戻れるわけがないんです」
──長瀬智也さん(40才)は、山口さんのベースがないとTOKIOの音は出せないと言っているようです。
「私じゃなくてもできますよ。TOKIOの音楽って長瀬がいればできるんです。数年前から長瀬がプロデューサーを兼任して、メンバーと共にゼロから楽曲を作ってきました。長瀬の“こうしたいんだ”っていう要望に私たちは合わせてやってきた。その音楽はめちゃくちゃかっこいいんです。
なんでいい年したTOKIOがいまだにジャニーズにいるのか? 長瀬も(国分)太一も松岡(昌宏)も城島(茂)も、みんな音楽がやりたいからなんですよ。歌ってファンをドキドキさせたいんです。
音楽ができなくて困っているTOKIOは見たくない。もちろん私のせいだってわかっているけど、私じゃなくてもベースはできる。だから歌をやってほしい。TOKIOの音楽ってかっこいいんです」
この話の直前まで、時折苦しい表情はするものの、滞ることなく答えていた山口だが、TOKIOと音楽の話になると一変した。涙をこらえきれず、嗚咽で言葉が聞き取りづらくなった。