最高意思決定機関の“カジノ関係閣僚会議”を開く場合、総理の他に官房長官と財務、国交、経産、厚労の各大臣、国家公安委員長(警察担当大臣)の6閣僚がメンバーになる。
安倍首相は内閣改造で政権の要である麻生氏と菅氏を続投させると見られており、2つの席は埋まっている。国交大臣は公明党の指定席となっているものの、国交省と観光庁は建設・観光業界のドンである二階氏の影響力が強く、事実上、ライバル3人が1枠ずつ押さえているとみていい。
カジノ利権を制するには、残る経産大臣、厚労大臣、国家公安委員長のポストに誰が“子分”を送り込むかの勝負になる。これが内閣改造の裏テーマといっていい。
厚労大臣の有力候補が、菅氏に急接近している神奈川選出の小泉進次郎氏だ。いざ、カジノ選定にあたって“進次郎厚労相”がキーマンになる可能性がある。
「厚労省はギャンブル依存症対策として都道府県や政令市に治療拠点病院の指定を義務づけているが、ギャンブル依存は専門の医師や看護師の数が少なく、指定が進んでいない。自治体がカジノ建設を申請しても、厚労大臣が『依存症対策が不十分』と主張すれば大きな減点になる」(カジノ議連幹部)
進次郎氏に近い菅氏にアドバンテージがありそうだ。
劣勢なのは二階氏で、安倍周辺からは幹事長交代で副総裁就任説が流れており、党務の実権を失うとカジノでも発言力は低下してしまう。巻き返すには二階派議員を国家公安委員長や経産相に押し込む必要がある。
水面下では菅vs二階の暗闘は激しさを増している。前出の横関氏が語る。