溝口:私は、高山と司の間で、「出所したら山口組の七代目は高山に譲る」という密約が結ばれていると思う。というのも、高山は恐喝容疑で逮捕され最高裁まで上告したのに、途中で取り下げて収監されましたから。
鈴木:すでに73歳と高齢なので、早めに刑務所に行ったほうが出所してからの現役生活を長くできると考えたのかもしれません。
●みぞぐち・あつし/1942年、東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業。ノンフィクション作家。『食肉の帝王』で2004年に講談社ノンフィクション賞を受賞。主な著書に『暴力団』『山口組三国志 織田絆誠という男』『さらば! サラリーマン』など。
●すずき・ともひこ/1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。主な著書に『潜入ルポ ヤクザの修羅場』『ヤクザと原発』『サカナとヤクザ』など。
※週刊ポスト2019年9月20・27日号