芸能

モノマネ芸人の出演が急増、「次のシャチホコ」探す民放各局

チョコレートプラネットはモノマネでもブレイク

 今、アツいお笑いのジャンルは「モノマネ」だという。最近、バラエティ番組などで、モノマネ芸人が相次いで起用されているのだ。いま、なぜモノマネ芸人なのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 このところ、昨年ブレイクしたMr.シャチホコさんやチョコレートプラネットらに加えて、りんごちゃんや沙羅さんなど、モノマネ芸人の番組出演が増えています。

 たとえば、りんごちゃんはブレイクのきっかけとなった『ウチのガヤがすいません』を制作している日本テレビのバラエティを総ナメしたあと、民放他局へ進出して活躍中。また、綾瀬はるかさんらのモノマネで知られる沙羅さんは『沸騰ワード10』(日本テレビ系)でリポーターを務めたほか、『99人の壁』(フジテレビ系)ではクイズに挑戦するなど活躍の場を広げています。

 その他でも、土屋太鳳さんのモノマネで知られる丸山礼さんが『ジョブチューン』(TBS系)に出演、沢口靖子さんのモノマネで知られるメルヘン須長さんが『VS嵐』(フジテレビ系)に出演したほか、滝沢カレンさん、大坂なおみさんらのモノマネ芸人もバラエティに出演しています。

『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系)、『ものまねグランプリ』(日本テレビ系)、『コサキン・天海の超発掘!ものまねバラエティー マネもの』(フジテレビ系)のモノマネ特番も放送。さらに、8月21日の『梅沢富美男のズバッと聞きます!』(フジテレビ系)では「新世代vs四天王!ものまね芸人大集合!」、7月25日の『ダウンタウンDX』(読売テレビ、日本テレビ系)では「モノマネ芸人スペシャル」などの特別企画も放送されました。

 コントや漫才、マジックや大道芸など、他ジャンルの芸人と比べると、その需要増は明らかであり、実際にお笑いお笑い賞レースの上位進出者より、モノマネ芸人の起用が多いことがそれを象徴しています。

 今なぜモノマネ芸人の番組出演が増えているのでしょうか? 各局の狙いにモノマネ芸人の現状を絡めつつ掘り下げていきます。

◆ゼネラリストになったモノマネ芸人

 モノマネ芸人の番組出演が増えている最大の理由は、バラエティにおける使い勝手の良さ。

 かつてモノマネ芸人はモノマネ特番を主戦場にする「モノマネのスペシャリスト」という立ち位置で、モノマネは“演芸”という印象がありました。

 しかし、最近では「モノマネだけでなく多方面の芸を持つゼネラリスト」という立ち位置に一変。モノマネを前面に出しながら、グループトークに絡んだり、コントに混じったり、ロケで食リポしたりしているのです。

 制作サイドにしてみればモノマネ芸人は、得意のモノマネでスポット的に笑わせてくれるほか、ドラマやCMなどのパロディができる、リポーターやドッキリにも使える、「まさかの本人共演」などの演出も可能。そもそもモノマネは、“ながら見”をしている人も理解できる、いい意味での単純さがある上に、モノマネ芸人のギャラで大物芸能人が出演したムードを醸し出せるなど、作り手にとってのメリットは大きいのです。

 一方、芸人サイドに目を向けると、顕著なのは「専門のモノマネ芸人以外で、モノマネを武器にする人が増えている」こと。たとえば、コントの実力が評価されていたチョコレートプラネットがIKKOさんと和泉元彌さんのモノマネで番組出演を増やしたように、「インパクトのあるモノマネできっかけをつかもう」とする芸人は少なくありません。

 また、昨年、野性爆弾・くっきーさん(白塗りモノマネ)やガリットチュウ・福島善成さん(船越英一郎さんなど)が多数の番組出演を果たしたように、実力派の中堅芸人もモノマネに取り組んでいますし、若手でもガンバレルーヤのよしこさんが、“つかみ”の笑いとして多部未華子さんのモノマネを多用するなど、芸人たちの間でモノマネが鍵を握る芸になっているのです。

◆飽和状態なのに新星が次々に誕生

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン