一方、宮澤喜一内閣で河野洋平・官房長官が出した河野談話(1993年)については、〈強制連行について日本軍の関与を認めた〉(同前)と評している。
1960~1970年代の経済成長「漢江の奇跡」については、〈日韓国交正常化以降に入ってきた日本の資本と、ベトナム戦争による米ドルの流入が、この時期の経済発展に寄与した〉(同前)として、日本の経済支援が一助になったことに言及している。
ただし、「漢江の奇跡」については、今年3月、小学校の国定教科書からその記述が削除された。数少ない“日本の功績”の記述は教科書から消えつつある。
そして、前出の『高等学校 韓国史』では、現代史の項でこんな「課外学習」が推奨される。
〈日帝占領期の歴史人物や主要事件について動画を作成して発表してみよう〉
〈日本大使館前で開催される集会に行き、集会参加者にインタビューをしよう〉
動画編集作業に必要なパソコンのソフトを紹介し、〈背景音楽、字幕、ナレーションなどを通じて躍動感あるように表現〉することを求めている。
「YouTubeなどで慰安婦問題について広く発信するよう教科書で啓蒙しているといえます」(崔氏)
※週刊ポスト2019年10月18・25日号