今回発表されたセダン、ワゴンは先に述べたように、クルマの基本部分の多くを共有する海外版カローラやハイブリッドカー「プリウス」よりホイールベースが6cm短い2640mm。道路や駐車場の狭い日本での取り回し性という点では5ナンバー時代のカローラに近い良さを維持している半面、車内は狭くなった。
旧型にあたるカローラアクシオ/フィールダーは2600mmだが、こちらはサブコンパクトクラスの「ヴィッツ」との共通性が色濃く、エンジン搭載部分が短いため、車内はこちらのほうがずっと広い。
クルマの仕様もこれまでのカローラとはまったく異なる。その最たるものは、後席の乗降性だろう。これまでのカローラはとにかく乗り降りがしやすいようにというのがボディ設計の最重要項目のひとつだったのだが、新型カローラでは乗降性の優先度が大幅に下げられたものと推察される。
屋根が後ろ下がりになっているのに加え、ドアとボディの重なりが大きく、普通の体格でも乗り込みには結構身をかがめる必要がある。お年寄りがリアシートに乗り込むのは、アクシオ/フィールダーに比べればあきらかに難儀だろう。
また、備え付けのディスプレイオーディオは光ディスクスロットなどが省かれ、任意の音楽を聴くにはBluetoothで接続されたスマホ内のミュージックファイルを再生したり、Spotifyなどのストリーミング配信を利用したりする必要がある。
このように、サイズ面では従来の5ナンバーユーザーに配慮しながら、中身は若年ユーザーの好みにガッツリと寄せられた新型カローラ。性能面ではどうだろうか。