1990年の日本シリーズは初戦の初回に西武がデストラーデの3ランで先制し、5対0で渡辺久信が完封勝利。2戦目も3回までに7点を奪い、9対5で巨人を退けた。3戦目も初回に3点を奪い、7対0で渡辺智男が完封勝利。4戦目こそ、巨人が初めて先制するも、西武は5回裏に宮本和知を打ち込み、7対3で日本一に輝いた。
「その状況と比べれば、まだ今年は希望が持てる。3連敗から4連勝した1989年と今年の共通点は2つあります。1つは長年チームリーダーを務めてきた選手の引退。1989年は中畑清、今年は阿部慎之助です。もう1つは、主軸の絶不調。1989年は原辰徳、今年は坂本勇人、丸佳浩です。第3戦まで原、丸はノーヒット、坂本は1安打です。今年は2人が打てないことが、3連敗した大きな原因でしょう」
“逆シリーズ男”になりつつある坂本や丸はどうすれば調子を取り戻せるのか。
「1989年の原は第4戦、ヒットこそなかったものの、3四球を選んでチャンスメイクをした。そして、第5戦に満塁本塁打を放って、チームを勢いづけた。坂本や丸も、ヒットではなく四球でいいという気持ちで打席に入ると良いのではないでしょうか。原は7戦で結局2本しかヒットを打てなかった。しかし、その2本がホームランで、ここで欲しいという場面で出た。坂本や丸が今から猛打爆発するとは考えづらい。でも、原のように貴重な場面で1本打てば、チームの流れを変えられる。2人はそんな存在です。1本のヒットで状況は変えられるとラクな気持ちで臨んでほしいですね」
徳俵に追いつめられた巨人。ここから反撃なるか。