《今回の台風については、その発生以来、上皇上皇后両陛下とも災害の様子を伝える早朝6時のニュースを始めお昼、夜のニュース等を注視されてきましたが(中略)被災地域の広さ、堤防決壊数の多さにおいて他に比較できる災害のご記憶がなく、大変にお心を痛めておられます》
その文書に、美智子さまの強い意志を感じたというのは、皇室ジャーナリストだ。
「被災地の様子のニュースをご覧になったタイミングや、被災規模をどのように受け止められたのかなどが詳細に綴られています。美智子さまが皇后時代、折に触れて発表されてきた文書の言い回しに非常に近いものがあります。
上皇上皇后両陛下は災害が発生すると、いつも被災者に心を寄せられてきました。退位されても、国民を思うお気持ちに変わりはないのです」
美智子さまのお気持ちが滲み出る文書に接し、宮内庁や政府内でもパレード延期に意見が傾いたのではないか――官邸関係者はこう証言する。
「誕生日行事の中止決定を公表するだけでもよかったところを、あえて上皇上皇后両陛下のご様子や沈痛なお気持ちまで詳細に語られたことで、“美智子さまは盛大なパレードを望まれてはいない”と理解する関係者は多かった」
台風19号が去った2日後の15日、菅義偉官房長官は会見でパレードの準備を「淡々と進めていきたい」と語っていた。しかし、その直後に美智子さまの誕生日行事の中止が明らかになり、17日に内閣はパレード中止を決定した。
※女性セブン2019年11月7・14日号