今秋も超一流騎手が何人も来日する。今週末の天皇賞(秋)の有力馬サートゥルナーリアには、かつて同じ角居厩舎のエピファネイアをジャパンカップで勝たせたスミヨン騎手が騎乗する予定。さらに11月以降は昨年の世界ランキング1位のデットーリ、2位のマーフィー、3位のムーア、4位のビュイックなどの来日も噂されている。
彼らが日本を訪れるのは、世界一高額といわれる賞金が目的であることは間違いない。UAEや欧米、オーストラリアなどの最高峰のレースにはかなわないが、日常的に行なわれているレースの賞金は魅力だ。騎手が手にする進上金は5%、2勝クラスの特別レース1着の1500万円という額は、欧州では重賞賞金にも匹敵する。出走頭数が揃うので混戦になることも多く、「騎手の判断に任せる」傾向が強い日本の競馬は、アスリートとして純粋にやりがいがあるようだ。
世界各地を転戦、毎日のようにレースに騎乗しているが、日本では週末だけ。空いている時間に過去のレース映像などをチェックすることができ、さまざまなタイプの馬に騎乗してきた経験が生きる。
今年もすでにGI9勝。重賞などでは人気を集めるが、平場で人気薄の馬に騎乗したときこそ注意が必要だ。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
※週刊ポスト2019年11月1日号