◆主力となる2年生と勢いのある1年生が躍動

 近年、甲子園の中継でも、中学時代の代表歴が放送されることも多くなり、中学時代の経歴は選手の能力を測るひとつの指標でもある。代表経験を持つ中学生の熾烈な獲得競争の様子は拙著『投げない怪物』でも詳述したが、その争いをリードするのが大阪桐蔭である。

 エースの藤江は、諫早ボーイズに所属した中学時代はボーイズ日本代表(2017年)に選出された経験を持ち、その評判は出身地の長崎、九州を飛び越え、全国区に鳴り響いていた。前チームからベンチ入りした藤江は、美しいフォームからスライダー、チェンジアップを投げ、試合序盤の球数の多さとスタミナの不安はあるものの、簡単には四球を出さない制球力も秀でている。来春以降の活躍次第では、ドラフト上位候補にもなり得る逸材であろう。

 今秋の大阪大会決勝で大阪桐蔭は、激戦区・大阪において最大のライバルであり、今夏の日本一校である履正社と対決。この試合の5回に右翼席に特大の3ランを放ったのが仲三河優太(2年)だ。栃木出身の彼は小山ボーイズ時代に侍ジャパンに選ばれ、世代ナンバーワンの呼び声が高い「投手」だった。

 大阪桐蔭に入学して間もない昨春から、ベンチ入りを争ってマウンドに上がっていたものの、今春から野手としての練習に重点を置くようになった。右翼手として先発した履正社戦では、初めて4番に座り、3ランを含む5打数4安打5打点という活躍ぶり。遊撃手と外野手の違いこそあれ、こうしたポジション歴は根尾が歩んだ道でもある。本人は今後も二刀流も貫くつもりだ。

「野手としての経験を投手としてのピッチングに活かせれば、他の投手にはない持ち味になると思います」

 前チームから主に3番を任されてきた西野力矢(2年)は、右の大砲だ。一本足打法で昨秋は本塁打を量産していたが、荒さも目立った(徐々に一本足打法ではなくなっていった)。大阪でも頂点に届かない悔しい1年を過ごし、新チームとなってからは状況に応じて軽打もみせるようになり、近畿大会の明石商業戦では、好投手の中森俊介から逆方向となる右翼席へ技有りの一発も放った。不安のあった三塁の守備も送球も、徐々に安定感が増してきた。

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