さらにダメ押しのごとく「こちら機長黒澤」というアナウンスも入る。第二話では「ご搭乗のみなさま、心のシートベルトをしっかりお締めください」ときた。勝手にガタガタしてベルト締めなきゃなんないのは、機長でしょ!と視聴者に思わせるところがミソである。強面鋼太郎のヒロインぶりは、ドラマの名物、十八番といってもいい。

『おっさんずラブ』の特長は、自分の恋心にみんなが真剣に向き合い、人を傷つけまいと踏ん張るところだ。それがこのドラマが高く評価された要因でもある。成瀬に春田への思いを指摘されても、自分の中に押し込めようとする四宮。一方で自分の告白を春田がOKしてくれたと勘違いして、デッキの鐘を打ち鳴らして喜ぶ黒澤。

 そして「誰とでもキスくらいする」となかなか素直にならない成瀬。誰にでも当てはまる恋愛感情や悩みをおとな世代がストレートに見せるドラマは、意外に少ない。純愛ブームと言われた2000年代の『世界の中心で、愛をさけぶ』なども基本は若き男女の物語である。

 個人的には、『おっさんずラブ』に新シリーズが登場するとは思っていなかった。特に田中圭・吉田鋼太郎の顔合わせが再び実現するとは。同じ二人のラブストーリーが映画になったり、設定をかえてシリーズドラマ化した例をたぐってみれば、それは昭和の『赤いシリーズ』でゴールデンカップルと呼ばれた山口百恵・三浦友和に通じるのかも!? 相思相愛になるのかは別として、観る者の心をつかむ田中・吉田は令和のゴールデンカップル。そう呼ばせてもらいます。
 

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