国内

実名で「拡散希望」したらデマだった… 余計な義憤を抱く愚

記者会見する元愛知県豊田市議の原田隆司氏(時事通信フォト)

 何か事件が起きると、それに関連した真実なのかどうかよく分からない情報がSNSをかけめぐる。デマであることも多いが、情報を拡散する人たちは、実はいろいろとピントがずれている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、余計な義憤を持ってしまう実名のSNSユーザーの行為がいかにバカバカしいかについて考えた。

 * * *
 8月に茨城県の常磐自動車道で発生した「あおり運転殴打事件」に関連し、無関係な女性のことを宮崎文夫容疑者と一緒にいた「ガラケー女」だというデマを拡散した愛知県豊田市の市議・原田隆司氏が辞職した。原田氏は心からの謝罪を述べているが、実に迂闊なお人だ。

 今回女性がガラケー女とされた理由は、宮崎容疑者が彼女のインスタグラムをフォローしていたことと、「ガラケー女」同様帽子とサングラス姿の写真を投稿していたことだけである。「だけ」なのだ。これだけで多くの人が「こいつがガラケー女だ! けしからん!」とばかりに拡散。原田氏も「早く逮捕されるよう拡散お願いします」とまで書いた。

 女性は原田氏に100万円の損害賠償を求める通知書を送ったが、その後同氏から届いた手紙には謝罪はあったものの、賠償金への言及はなかった。督促にも応じず、原田氏が「なんで自分だけ」と話しているのを知り、提訴に至ったという。

 この「なんで自分だけ」という発言だが、「そりゃそうだろうよ」というのが率直な感想だ。だってあなた身元が割れていて、しかもしっかりとした立場の方でしょ?

 ネットの誹謗中傷やデマ拡散が厄介なのは、書き込み者の特定がしづらい点にある。以前、横浜DeNAの井納翔一投手が「嫁がブス」と匿名掲示板に書かれ、書き込んだ女性を特定し、約200万円の慰謝料と訴訟費用の負担を求めた。この時の訴訟費用は77万円だったが、これには弁護士による掲示板運営者への開示請求等の費用も含まれている。

関連記事

トピックス

部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ポストシーズンで快投をみせる佐々木朗希
「ポテンシャルは大谷以上」復活快投の佐々木朗希 昭和の大投手たちが太鼓判「1年間投げ続けられれば本当にすごい投手になる」
週刊ポスト
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン