六代目山口組、神戸山口組、任侠山口組の組員総数は、暴力団総数の実に過半数を占める。火の粉を浴びないよう細心の注意を払っていても、山口組という巨大なコングロマリットの分裂抗争は、他団体に大きな影響を与える。今回、他団体の多くが対外的な取材に答えないよう組員に厳命していることが分かった。
警察や他団体に内情を知られるわけにはいかないため、事件の詳細を明らかにしないという特殊な事情もある。
「自分たちの組の上の人間からまったく説明がない。何があったか知りたければ週刊誌を読むしかない。今はネットで即時に情報が流れるが、その分ガセが多い」(関西独立組織幹部)
噂に一喜一憂していれば、いつか情報操作に振り回される。暴力団にとってネットの普及は諸刃の剣だ。
●調査・文/鈴木智彦(フリーライター)
※週刊ポスト2020年1月3・10日号