国際情報

韓国は今年、中ロに接近か GSOMIAは3月に破棄も

新年の演説を行う文在寅・韓国大統領(EPA=時事)

 新年の幕開けから、朝鮮半島情勢が風雲急を告げそうな気配だ。異例にも、北朝鮮は年末の4日間、朝鮮労働党中央委員会総会を連続開催した。

 元日に朝鮮中央通信が報じた内容によれば、金正恩委員長は「世界は遠からず新たな戦略兵器を目撃することになる」「わが人民が直面している苦痛と抑制された発展の代価を勝ち取るための衝撃的な実際行動に移るだろう」などと述べたという。多くの専門家は、「新たな戦略兵器」とは固形燃料を使った新型弾道ミサイルを、「衝撃的な実際行動」とは核・ミサイルの開発活動を意味すると見ている。

 こうした北朝鮮問題への対応に日米韓3か国の連携が必要なことは言を俟たない。ところが昨年は、日本と韓国が結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の存廃をめぐる騒動が起こり、日米韓の関係を根底から揺るがした。一方的な破棄を通告していた韓国の文在寅政権は期限切れ直前の2019年11月22日になって延長を決めたが、条件付きで暫定的な延長としており、この問題は終わったわけではない。

 延長の条件については日韓両政府ともに明らかにしていないが、GSOMIA失効目前に開かれた日米韓3か国による防衛相会談では、〈韓国は日本が厳格化した輸出管理措置の撤回を協定延長の条件とする立場を譲らなかった〉という(日本経済新聞2019年11月17日付)。

 朝鮮半島の国際関係論が専門の拓殖大学大学院国際協力学研究科客員教授の武貞秀士氏は、今年はこの問題が再燃すると指摘する。

「韓国が提示した条件とは、今年の3月頃までに日本が戦略物資の輸出管理で韓国をいわゆる『ホワイト国』に戻すことで、それが受け入れられない場合、GSOMIAを破棄するといわれています。しかし、韓国が日本から輸入した戦略物資の管理体制を改善しないままで、日本が韓国を最優遇国のカテゴリーに戻すというのはありません。GSOMIAから抜ける可能性が高まると考えられます」

 もし韓国がGSOMIAから離脱すれば、北朝鮮のミサイル発射や核実験がもたらす不測の事態に対処するための日米韓3か国の安保協調体制は大きく後退することになる。

 しかし、この動きは「ホワイト国」除外に対する韓国の報復とのみ捉えると、文大統領の真意を見誤ることになる。韓国の対中政策が絡んでいると武貞氏は言う。

関連記事

トピックス

国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン