こうした都市圏や“定番の観光地”のほかにも、中国人観光客が増えている場所がある。中国事情に詳しいフリーライターの西谷格氏が指摘する。
「中国で人気が高い、日本アニメの“聖地”への観光客が増えている。近年では、アニメ映画『君の名は。』の舞台となった岐阜・飛騨古川駅は大人気です。中国からの観光客は、東京、大阪、名古屋の空港から電車で移動するか、上海から富山空港への直行便を経て電車で南下するルートで向かう。いずれのルートでも、1時間以上電車内に同乗する可能性があります。他にも、漫画『スラムダンク』の舞台である湘南・鎌倉などは根強い人気です」
中国映画の舞台となった場所も根強い支持を集めているという。
「2008年公開の中国映画『狙った恋の落とし方。』は北海道で撮影され、網走市、厚岸町、釧路市の阿寒湖、斜里町などにも中国人観光客が集まっています」(西谷氏)
にわかにブームとなったこうしたスポットの中には、外国語での注意など対策が後手に回っている観光地もある。
※週刊ポスト2020年2月7日号