◆橋本環奈でカメコの「地位」が向上した
カメラ小僧の撮影フィールドは何もステージの上だけに限らない。1990年代に入って多くのカメラ小僧が向かったのは「サーキット」だった。
「レースクイーンブームの到来も大きかったですね。毎週末、セクシーな彼女たち目当てにサーキットに通うファンが増えた。アイドルと違って、近くで頻繁に話すことができたのが魅力でした」(前出・S氏)
そんなブームも落ち着き、2010年代からは徐々に新たな風潮が広がってきたという。現在30代で大学生の時からカメコとして活動するU氏は言う。
「ももいろクローバーZのような地下アイドルが登場したことで、売れる前のタレントを応援する機運が高まってきました。また、2013年に当時はまだ福岡のご当地アイドルだった橋本環奈をカメコが撮影した一枚が“千年に一人の逸材”としてネットで拡散されたことも大きい。いまのカメコは“草食系”なのでパンチラより綺麗な写真を撮りたいんですよ(笑い)」
◆取材・文/河合桃子
※週刊ポスト2020年2月7日号