芸能

カメラ小僧の歴史、大ベテランが語る熱狂と進行する草食化

初々しい深田恭子の通学姿

 戦後、カメラが普及して個人の趣味の領域に拡大すると共に、そのレンズは「アイドル」へと向けられるようになった。キャンディーズやピンク・レディー、そして1980年デビューの松田聖子を筆頭に始まったアイドルブームは、カメラ好きの若者たちを熱狂させ、「カメラ小僧(カメコ)」へと変貌させた。いまも現役で活躍するカメラ小僧・S氏が当時を振り返る。

「僕は1977年に日比谷野音でやったキャンディーズの解散コンサート前夜祭のために、発売されたばかりのビクターの家庭用ビデオカメラを買い、彼女らの“普通の女の子に戻りたい!”というシーンを撮影したんです。当時はどこでも撮影OKというおおらかな時代でしたからね。しかもその時のキャンディーズの写真をアイドル誌が高く買い取ってくれた。僕は“これで生きていける”と確信したんです」

 S氏いわく、当時は写真週刊誌などがカメラ小僧の写真を買い取ることや、撮影依頼を行なうケースまであったという。そのためカメラ小僧は、「売り専門」に走る者と、雑誌への投稿・掲載を生き甲斐とした「趣味型」の2タイプに分かれた。アイドルに詳しいライターの北川昌弘氏が解説する。

「当時は日本橋三越などのデパートの屋上でアイドルが新曲のお披露目をしていましたが、大抵ミニスカ姿で曲の合間にくるりと回る動きがあった。そこでパンチラを狙って撮影し、投稿する流れができたのです」

 前出・S氏は1980年代の“撮影現場”の熱狂ぶりをこう語る。

「カメコの命は『情報』と『準備』です。ネットがない時代に確かな情報を得るためには人海戦術が必要だったので、あの手この手を使いました。彼女たちが現場入りする前に到着していましたし、常に“この位置からこう撮れる”という事前のロケハンも欠かさなかった」

 しかし2000年代に突入し、カメラ小僧を取り巻く環境は大きく変わった。

「収録現場で一般客を押しのけようとする過激なカメコが問題になったんです。アイドルのパンチラ撮影を防ごうとする芸能事務所側の動きもあって、コンサートや番組に撮影規制がかかったため、次第に衰退していきました」(北川氏)

関連記事

トピックス

千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン