それにしても、疑心暗鬼。これが困るのよ。感染拡大している武漢市の湖北省政府は、2月2日まで延長した春節をさらに13日まで延長することを決めたらしい。てことはそれだけ日本での滞在日数が延びて、じっくり拡散するってこと? なんて、偏った思い込みが頭をよぎったりする。
疑心暗鬼といえば、中国に対してもそう。10年前、香港から上海まで夜行寝台で旅したことがあったけれど、エコノミークラスの寝台車に乗り込んだとたん、ぷ~んとオシッコのにおいがするの。町の目抜き通りのデパートでは、トイレのドアが全部壊れていた。その時、“中国は衛生管理の考え方が違う。日本基準では測れない”とつくづく思ったけれど、今回もそう。
10日間で大病院を建てたのだってそう。どこをどうしたら、あんな離れ業ができるのよ。
疑うのは他人だけじゃない。「くしゃみをした時、両手で受けるのは絶対にしてはいけない。ウイルスのついた手で触ったところから感染が広がる」とある。自分の家がもう取り返しのつかないところまできているんじゃないか…と不安になる。
実際のところ、日本では毎年、多くの人が感染症で亡くなっているんだってね。厚生労働省が公表している人口動態統計では、2018年の感染症による死者が国内で9674人。この中で最も多い死亡原因の感染症は、インフルエンザの3325人。これに次ぐのが、感染性胃腸炎の2332人、結核の2204人だって。
インフルエンザは私も何度かかかって生還しているので、“邪悪な風邪”くらいにしか思っていなかったけど、こんなに多くの人が亡くなっていたのね。
とにかく、国立感染症研究所では新型コロナウイルスの分離に成功したそうだし、特効薬ができる日も近いかもしれない。その日まで、せっせと手洗いをして、他人のくしゃみと自分の体調に注視するしかないのよね。
※女性セブン2020年2月20日号