芸能

俳優でも存在感、霜降り明星は「第7世代の枠を超えた」説

俳優としても評価される霜降り明星

 一昨年の『M-1グランプリ』優勝をきっかけに、大ブレイクを果たし、さまざまな分野で活躍を続けるお笑いコンビ・霜降り明星。さらなる飛躍を感じさせる2人の可能性ついてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 今冬もさまざまなドラマに多くの芸人が出演していますが、最注目は霜降り明星の二人。『テセウスの船』(TBS)にせいやさん、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)に粗品さんが出演しています。

 驚かされるのは、前者が『日曜劇場』、後者が『月9ドラマ』という両局きっての看板ドラマ枠であること。二人ともドラマ初出演であり、さらにどちらもシリアスな世界観の作品であるなど、芸人としては難しい役柄に挑んでいるのです。

 せいやさんは、主人公がタイムスリップした31年前に殺人事件が起きた村の住人役。粗品さんは、上昇志向が強い野心家のキャリア刑事役。ともに俳優としての一歩を踏み出しただけでなく、ここまで演技の評判も上々であることに感心させられます。

 そもそもコンビのどちらかが俳優業に挑むことは多いのですが、同時にオファーを受けるのは異例中の異例。2018年12月の『M-1グランプリ』優勝から1年あまりがすぎた今、彼らはテレビマンから何を評価され、世間の人々から何を求められているのでしょうか。また、今後はどんな可能性を秘めているのでしょうか。

◆特筆すべき器用さの裏に準備と努力

 彼らがキャスティングされた理由には、もちろん人気や話題性の意味はあるはずですが、決してそれだけではないでしょう。

 実際に俳優としての彼らを見てわかったのは、物語の中に溶け込み、存在感を消すシーンと出すシーンをしっかり切り換えられていること。はたして、どれだけ演技としての意図があるのか? それとも俳優としての素質が凄いのか? まだはじまったばかりでわからないものの、ベテラン・中堅俳優の中に混じっても、芸人特有の悪目立ちする感はありませんし、見せ場となるシーンでは役に入り込んだシリアスな表情も見せています。

 彼らを起用する側のテレビマンには、霜降り明星の長所にこのような器用さを挙げる人が少なくありません。あるバラエティのディレクターと話をしたとき、「二人ともツッコミにもボケにも回れる」「進行役の1人として台本を進めることも、トークやボケで時間をつなぐこともできる」とホメていました。

 また、意外だったのは、「笑いを取れるときばかりではないが、スベったときにも瞬時の対応で自分のフォローができる。そういうところも、ひっくるめて使いたくなる人は多いのではないか」と言っていたこと。ともに27歳と若いにも関わらず、決して勢いではない準備と努力を感じさせるのです。

 そんな彼らなら、俳優業に挑んだ今回もしっかり準備と努力をしたでしょうし、共演俳優から「自分ではない誰かを演じる」ことを学ぶなど、その経験値を漫才やコントに反映させるのではないでしょうか。言わば、霜降り明星にとって今回のドラマ出演は、ネタの質を上げるためのものになりそうなのです。

◆テレビとネット両面での縦横無尽な活躍

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン