沢尻のシーンは撮り直し

 ほかにもさまざまなハードルを越え、バンカーが撮影馬になるには2年ほどかかったというから大変だ。

 田中さんが育成している撮影馬は20頭以上。いずれも足が太くて丈夫で、性格が穏やかなクォーターホースという品種で、なかでも特に優秀な5頭が、実際に撮影馬として活躍しているのだという。

「撮影馬の条件は、体が柔らかくてバランスがよく、頭がいいこと。いつもは必ずアメリカに行って自分の目で見て馬の買いつけをするのですが、バンカーに限っていえば、乗馬クラブの知人が撮影した動画を見て“この馬はいい馬だな”と思って決めました。実際に乗ってみたら、想像以上でしたね」(田中さん)

 撮影馬たちの中でも、バンカーは一目置かれる存在だ。現在17才で、人間でいえば50代半ばのベテラン俳優。これまでに出演した映画やドラマは30本以上にのぼり、多い時には年間7本ほどの作品に出て、1頭で1000万円ほど稼ぐという。

 大河ドラマへの出演歴も多く、『軍師官兵衛』(2014年)では岡田准一(39才)が、『おんな城主 直虎』(2017年)では菅田将暉(26才)が、『西郷どん』(2018年)では渡辺謙(60才)が乗る馬として登場している。

 なかでも岡田はバンカーに惚れ込み、映画『関ヶ原』(2017年公開)でも指名。今年5月公開の映画『燃えよ剣』でもバンカーに乗っているという。

「岡田さんは本当に真摯に馬と向き合う人で、長谷川さんと同じく撮影前に必ずバンカーのところに来て、挨拶していきます。とある雑誌のインタビューでも“ぼくは100%バンカーと相性がいい。乗った時のバランスもよく、大好きなんです”と話していましたよ」(田中さん)

※女性セブン2020年2月20日号

 

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