「国立感染症研究所からの示唆により、最終的に判断した」と加藤勝信厚労大臣は2月19日に述べたけど、ちょうどその日にアップされた衝撃的な動画を見る限り、その判断はヌルすぎた。
動画は神戸大学医学研究科感染症内科の岩田健太郎教授によるもので、「船内は、(ウイルスに汚染されている)レッドゾーンと(汚染されていない)グリーンゾーンに分ける鉄則が守られていない」と告発している。エボラ出血熱等の対策にあたった感染症のプロが「心の底から怖い」と指摘したのは衝撃的だ。
なのに、厚労省の橋本岳副大臣がSNSにアップした、緊迫感に欠けるように見える画像はどうだろう。レッドとグリーンを(不潔ルートと清潔ルートを)もっと隔離すべきじゃないの? 空間が明確に分けられていないから、これじゃ、時間が経てば誰でも感染しそうだ。
それと、厚労省や各自治体は感染者に関する情報をもっと明確に広報すべきだと思う。
どんな人がいつ、どこの公共機関を利用したのかを早めに伝えてほしい。プライバシーとか個人情報の関係なんだろうけど、中途半端な情報を小出しにされると、市民の不安はかえって大きくなる。
たとえは乱暴かもしれないけど、火事が起こったら、いつどこで火事があって、いまどんな状態かを特定して広報するでしょ。正確な情報を速やかに、隠さず周知しないと、その間に延焼して被害がさらに拡大しかねないから。それと同じだと思う。
新情報がわかり次第、的確に伝えてほしい。感染者差別などというバカなことを起こす人を増やさないためにも。
※女性セブン2020年3月12日号