芸能

『麒麟がくる』の川口春奈は凛と美しいが門脇麦は残念キャラ

まずまずのスタートを切った『麒麟がくる』

 役者のキャリアやスキルが活きるのも演出や脚本の力あってこそである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * * 
 初回スタートは好調。しかし回が進むごとにジリジリと視聴率が下降気味となったNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(日曜午後8時)。2話17.9%、3話16.1%、4話13.5%、5話13.2%、6話13.8%(関東地区)という推移で、心配もささやかれていた昨今。しかし、第7話は15%と、1.2ポイント上昇してみせました。いよいよ反転攻勢の兆しか? 上昇した理由は、やはり川口春奈さん効果、ということでしょうか。

 沢尻エリカさんの代役として大抜擢された帰蝶役・川口さんが、主人公・明智光秀(長谷川博己)とのからみで大いに目立つ展開となった第7話。物語は……織田信秀(高橋克典)が斎藤道三(本木雅弘)と和議を結ぶことに。その条件として道三の娘・帰蝶を息子・信長(染谷将太)の妻にすることを要求。しかし、帰蝶はこれを拒絶。光秀に娘を説得するよう命じる道三。

 光秀にひそかに思いを寄せている帰蝶は、「信長には嫁ぎたくない」と心のうちを見せる。一方、やはり光秀を慕いつつ苦悩する戦災孤児の駒(門脇麦)。二人の女性にはさまれた光秀は信長の姿を見に……とにかく、川口さんのすっくとした立ち姿が印象的です。大河ドラマはもちろん時代劇への出演も初めてという川口さんですが、いやいやどうして。最初から帰蝶に選ばれていたかのような堂々たるたたずまい。

 お姫様役にピタリの凜とした風情と美しさ。外部に影響されない芯の強さも感じられ、武将の娘、そして信長の妻役の気迫は十分です。過去、大人気となった大河ドラマ『篤姫』を彷彿とさせる気概も。ここで視聴者の共感を集めることができたら『麒麟がくる』の人気に一層拍車がかかる可能性もありそう。

 それとは対照的に、第6話までどうもしっくりこない残念キャラがいました。門脇麦さん演じる駒の存在です。駒は医者・東庵に拾われた戦災孤児。という史実にはない「架空の少女」だからこそ、使い方にはリスクも潜む。よく考えないとご都合主義的、安易な挿入要素になりがち。

 意図した演出なのかもしれませんが、駒の風情が戦国の世から浮いている。

 小さなちょんまげを結った髪、おてもやん風メイク、しゃべり方も妙に現代風で、口を尖らせる表情も気になる。ど派手なピンクの着物も目障り。光秀と同衾したりと、とにかく物語の中でやたら目につく存在。「こんな小娘をなぜ光秀が相手をしなければならないのか」とか、よけいな疑問が湧いてきてしまい冷や水効果絶大です。そう、駒を見ているとふっと夢から覚めてしまう。ドラマ世界に酔いしれたいのに、いきなり現実に引き戻されてしまう感じ。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン