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「まるで戦争」 新型コロナに厳戒態勢のベトナム現地報告

休校措置が続いていた学校で、高校3年生のみが登校を再開。検温や体調検査が行われた(3月2日、ダナン市。その後、感染再発のため改めて休校措置がとられた)

 さらに、予約が一泊だけだったので翌日以降の宿泊を申し込むと、「明日からは満室なので他のホテルを探して欲しい」という。いつも利用するインターネット宿泊サイトで定宿の予約状況を確認すると、ガラガラだった。

 差別的言動も厭わないほど、外国人に対する警戒心を露わにするベトナムの人々──2003年のSARS、2004年の鳥インフルエンザ感染拡大時にも味わったことのない、初めての経験ばかりだった。

◆東南アジアで最も厳しい防疫措置

 市井の人々がここまで警戒心を高めている背景には、ベトナム政府が繰り出す積極的な感染防止策も影響しているだろう。

 前述した通り、ベトナム政府は国内感染者数がまだ16人だった2月13日時点で北部のソンロイ村を封鎖するなど、東南アジアで最も厳しい防疫措置を続け、水際対策についても一段と強化している。感染症を封じ込めようと躍起になるベトナム政府の対応は、日本のそれとは大きく異なっているように感じた。

 2月から3月にかけて、ベトナム政府は感染者が出た村や地区を早期に封鎖、隔離するのと同時に、軍施設・軍訓練学校・病院など感染者の隔離場所もスピーディーに確保していった。また、子どもたちを守るため、学校の休校措置の延長なども臨機応変に行っている。

 矢継ぎ早に繰り出される政府の施策に、大きな混乱を見せることなく素直に従うベトナム国民の姿も印象的だった。むしろ、多くの国民は「これは有事」だと認識し、社会の隅々に至るまで防疫意識が高かったように思う。

サイゴン駅で鉄道を降車した人々も検温が義務付けられた(3月11日、ホーチミン市)

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