芸能

別れの曲『贈る言葉』『なごり雪』等の秘話と著名人の思い出

いちばん泣いた「春の別れの歌」は?(写真/アフロ)

 聴けば当時の記憶が鮮明に甦る──そんな「別れの歌」は誰にでもある。見上げれば桜が咲いている、こんな季節は特にそうだ。

「柏原芳恵の『春なのに』は亡き夫が、私がカラオケで歌うととても喜んでくれた曲。夫は去年の5月に亡くなりましたが、桜の頃が最も具合の悪い時期で、きれいに咲き誇る桜を見るといまも寂しい思いに胸が苦しめられます」(50才女性)

 サビの歌詞を聴いて、恋人や友人との別れを想起する人もいるだろう。卒業ソングのみならず、思い出深い春の別れの歌は人によってさまざまだ。あなたにとって、いちばん心に残る一曲はなんだろうか──。

 舟木一夫の『高校三年生』やペギー葉山の『学生時代』がヒットした1960年代、高度経済成長期のまっただ中にあった日本は、東京五輪開催に沸いていた。地方から夢を抱いて上京する――別々の道を歩む友人たちへの惜別を明るく歌い上げた曲が流行したのも、そんな時代背景があったのだろう。

 1970年代になると「きみ」「あなた」といった言葉が多用され、恋人や仲間との別れが歌われるようになる。卒業ソングの定番になった海援隊の『贈る言葉』も、もともとは失恋の歌だったという。

「武田鉄矢さん(70才)が地元・福岡の学生時代、好きな女の子にフラれたほろ苦い経験から歌が生まれたそうです。本人は“失恋の歌を書いたつもりなのに、なんで卒業式で歌われるようになっちゃったんだろうな”と笑っていました」(音楽関係者)

 フォークグループのかぐや姫の楽曲を、イルカ(69才)がカバーした『なごり雪』は、亡き夫で音楽プロデューサーの神部和夫さんの情熱が実現させた歌だった。

「イルカさんが21才、神部さんが24才のときに結婚して以来、神部さんは自身の音楽活動をすっぱり辞めてイルカさんのプロデュースに徹しました。なかなかヒット曲が出ないイルカさんの才能を信じ続け、“これだ!”と思ったのが『なごり雪』だった。

 当時は無名のイルカさんがカバーするのは無謀といわれたそうですが、熱心に関係者を口説き続けてカバーを実現、大ヒットにつながったそうですよ」(別の音楽関係者)

『なごり雪』が不動の別れの歌となって久しい2007年、神部さんはパーキンソン病に侵され59才でこの世を去った。

 1970年代にはほかにも荒井(松任谷)由実の『卒業写真』や山口百恵の『いい日旅立ち』など、多くの別れの名曲が生まれた。プロスケーターでタレントの渡部絵美(60才)は、中島みゆきの『わかれうた』を印象的な別れの歌として挙げる。

「2才でスケートを始め、9才でアメリカにスケート留学した私が『わかれうた』に出合ったのは18才のとき。1日8時間の練習づけの毎日の中、日本から送ってもらったこの曲のテープを、涙をこぼしながら何度も繰り返し聴いていました」

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン