◆危うい“アッキー人脈”
異色の店を運営し、“業界の風雲児”と呼ばれるオーナーを都内の自宅マンション前で直撃した。
──昭恵夫人の“桜を見る会”について聞きたい。
「ご苦労様ですけど、私から何も話すことがございませんので。私も、今はプライベートなものですから……」
──国民感情的にはどうかと思うところがある。
「おっしゃることはよくわかるのですが……。本日は何も申し上げることがございませんので、ごめんなさい」
硬い表情で歩みを止めず、「申し訳ないです」と繰り返しながら駐輪場から自転車を出すと、「ちゃんと対応させていただきましたので」と言い残し、走り去っていった。
もちろん、飲食業も未曾有の危機にある。ただ、政府の要請を受け、日本中で宴会が自粛されている。国民一人ひとりが我慢して危機を乗り切ろう──そんななか、昭恵夫人や囲む会のメンバーは誰も、「時期を改めよう」と言えなかったのか。
こうした昭恵夫人の“独自の人脈”は、単に「社交的なファーストレディ」ということでは済まされない。脱原発活動に携わって“家庭内野党”を名乗るくらいならまだしも、森友学園問題では籠池泰典・理事長夫妻(当時)と昭恵夫人の交友が問題の発端となった。医療用などの大麻の解禁運動にも熱心で、町おこしのために許可を得て大麻を栽培する企業を応援していたが、その企業の代表が大麻取締法違反で逮捕されたこともある。言動の危うさは、国家運営をも揺るがしかねない。
繰り返される過ち──「レストランだから問題ない」と妻をかばった安倍首相の答弁は、当日夜の実態を知るとより一層、虚しく響く。
※週刊ポスト2020年4月17日号