政治家として活動した時代も(時事通信フォト)
こうした女同士の対立を解消するにはどうすべきか――そう問うと、田嶋さんは「これは対立にさえなってないから、『あっ、そうですか』で終わり。こういうことを言う人も、これにかかわろうとする人も勉強してなければ泥仕合。時間のムダ」と苛立ちを隠さなかった。
「ハイヒールには女性を逃がさず、奴隷化するために施術した纏足のような側面もあるし、体に負担をかける靴であるのは事実です。まずはそれを知ったうえで、それでもハイヒールを履くことでお尻が吊り上がってきれいになって男をとらえられると思うなら、勝手に履けばいい。だけど私のように腰を痛めてイヤという人は履かない自由があるといい。
#KuToo運動は会社が履くことを強制したから、それは人権侵害だと抗議したわけでしょ? 足が自由に使えなければ仕事の効率が落ちて会社のためにもならないわけですよ」(田嶋さん)
最近よく見かける女性同士のマウンティングや、SNSで恋人の存在などを秘かに示す「匂わせ」に対する世の女性の反感について尋ねると、田嶋さんはさらにヒートアップした。
「ただでさえ、社会的に弱い立場の女同士でいじめ合ってどうするの? 女性が女性を貶めるって、バカじゃないの。匂わせだって『あんたよく匂っているよ。あんまりいい匂いじゃないけど』とか言って、放っておけないの? 『恋人がいることが勲章になってる人もまだいるんだ!』ってびっくりしておけば? みんな器が小さすぎるよ」
一気に言葉を吐き出してから、一息ついて田嶋さんはこう語った。
「そうして他人に突っかかるのは、うんと傷ついている人たちです。なぜ女の人がそれほど意地悪になるかというと、抑圧されて不幸だから。自分で自分の世界を築くことができなくて、いつもどこかに突っかかっては、誰かをいじめることで力を得ているんです。そうじゃないと他人にそんなことはできません。不幸な人は乱暴になっちゃうのよ」
かつて母親の抑圧に苦しみ、テレビでは居並ぶ著名男性陣にたったひとりで立ち向かい、男性からも女性からも激しくバッシングされた田嶋さんは、人が傷つくことに敏感だ。
「場合によってはあえて強固な態度に出ることも必要」と田嶋さんは話す。
「男の人と対峙する場合、あんまり優しいことを言ってられないんだよ。気に入られたらたらしこもうとするし、女らしくしたらつけこまれる。だから私の言動はひとつの保身術です。だけど動物にだけは優しいんだよ。アハハハ」
※女性セブン2020年4月16日号