幹部による謝罪だけでは解決に向かわなかったと、この宝島社関係者は続ける。
「今回の石原さん主演ドラマに合わせて、3月末~4月頭発売の宝島社の女性誌は“石原さとみ祭り”の予定でした。同社が発行する『sweet』『SPRiNG』『リンネル』『steady.』の各ファッション誌の表紙が石原さんで決定し、印刷まで済んでいた雑誌もあった。ところが、すべての表紙が石原さんサイドからNGになり、差し替え、発売延期となったのです」
当然、宝島社は上を下への大騒ぎ。すでに次号の告知用に公開されていた石原が表紙の画像をSNSでアップしているファンに対し、「画像を取り下げてください」と個別に連絡をする事態となった。
「被害額は数億円ともいわれています。この“責任”を担当編集者だったAさんが取って辞めさせられたという格好です。ただ不可解な点も多い。2年前の印税が、なぜこの時期に大きな問題として取り沙汰されたのか。なぜ金銭を支払うことで決着がつかなかったのかということです」(前出・出版関係者)
◆「美容の女王」対決で生まれた微妙な距離感
石原は2002年にホリプロスカウトキャラバンでグランプリに。16才だった。翌年にNHK連続テレビ小説『てるてる家族』のヒロインに大抜擢。以来、日本のトップ女優の道を走り続けてきた。
「ドラマや映画だけではありません。ファッション誌、美容雑誌の表紙も石原さんの総ナメ状態が続いていました。意志のある眉、ふんわりした涙袋、そしてぽってりした唇は多くの女性の憧れ。“さとみメイク”を特集すると反響もよく、編集部でも常に表紙候補のナンバーワン的存在でした。毎月、女性誌は石原さんのスケジュールの取り合いでしたね」(女性誌関係者)
一方、田中は2009年にTBSにアナウンサーとして入社。ぶりっ子キャラが話題で、2014年に退社しフリーとなった。
「退社後は女性に嫌われるキャラで苦労していました。あまり仕事もない中、美容雑誌の小さな企画にはよく出ていた。田中さんは“趣味が自分”というほどストイックに体のライン作りとメイクにこだわっている人。細かいテクニックを披露し、読者も徐々に彼女を認めるようになっていった」(前出・女性誌関係者)
大きな転機は2019年2月に初めて出演した連ドラ『絶対正義』(フジテレビ系)。ドラマ業界も驚く演技力の高さを見せた。ぶっちゃけキャラも浸透し、大ヒット写真集の発売につながっていく。