国内

高齢者vs若者の衝突 新型コロナを拡散させるのはどちらか?

「不要不急の外出は控えて」という都知事からの要請後、週末の渋谷も閑散としていた(3月28日、渋谷駅前で 写真/時事通信フォト)

 新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言が出されてから、街からは明らかに人影が減った。それでもつい目につくのは高齢者の姿だ。開店前の都心のドラッグストア前には長い行列。

「いつも先頭は同じおじいさんです。マスクの入荷は未定ですと何度伝えても状況は変わりません」(ドラッグストア店員)

 開院直後の整形外科クリニックの待合室では、女性たちがおしゃべりに夢中だ。

「通院する人は減りましたが、膝や腰の痛みでリハビリに通う“常連さん”は相変わらず。“不要不急”の通院で感染しないか心配で…」(クリニック受付)

 街中に年配の人の数は決して多くはないのに、それでもつい気になるのは、高齢者の方が新型コロナの重症化リスクが高いからだろう。日本感染症学会などによると、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切る一方、60代は3.6%、70代は8%、80代では14.8%に達するという。

 重症患者が増えれば、医療機関はパンクし、新型コロナ以外の患者も適切な治療を受けられなくなる可能性がある。高齢者の感染は本人の命にかかわるだけでなく、「医療崩壊」を招くという社会全体のリスクとなるのだ。

 とはいえ、高齢者の中には外出せざるを得ない人もいる。その最たる例が独居老人だ。

「65才以上の単身世帯は増える一方で、全国で500万世帯以上あるとされます。独居老人は家族のサポートを得にくく、感染を恐れながらも生活必需品などは自分で購入したり、持病の薬を取りに行かねばなりません」(行動経済学に詳しいマーケティングライターの牛窪恵さん・以下同)

 デジタルに疎い年配の人はリアルタイムの情報を得るのに高いハードルがあり、社会からの疎外感や孤独を感じやすいことも一因だ。

「若い世代なら買い物もコミュニケーションもネットで自在に行えますが、年配のかたには難しい。ドラッグストアにせよ、病院にせよ、いつものメンバーで顔を合わせて『今日も会いましたね』といったコミュニケーションを取ることで、これまで安心感を得てきた部分もある」

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン