それに対して防衛側に回るのはパンデミックの被害が甚大だったヨーロッパ、アメリカメーカー。このところ、EU政府のCO2排出量削減要求を満たすために多大な出血を強いられてきたのに新型コロナウイルスが追い打ちをかける格好となったのはあまりにも痛い。有効策は域内の疫病流行をできるだけ早く抑えることのみ。それができなければフル生産などとてもできないとあって、今はじっと耐えるしかない。
国家間においては表面上の混乱とは裏腹にパンデミック終息後の覇権争いを見据えた復興競争のまっさかりだが、それは企業間競争においてもまったく同じである。
過去の経験がほとんど生きない様相のなかで、どこが真っ先に復活のための有効手を打つことができるのか──。自動車業界の世界勢力図に新たな変化が起こる可能性が高いだけに、戦いから目が離せないところだ。