「『ひょうきん族』で初めて現場から指名したのが、長野アナでした。お天気をチャーミングに報じる姿を見て、『芸人の良い受け皿になる』と感じたんです。
作り手からすると、良い意味でタレントを淡々といなすことができる女子アナが重宝された。明石家さんまさんと組んだ八木アナなんかが好例です。女子アナ自身は無理にキャラを作らず、自然な素の感じを活かせばいい。いまのディレクターはそれが分かっていない気がしますね」
彼女たちをスターに押し上げた抜擢の裏には、ある“組織”の存在があった。
「各部門のプロデューサーが集まって、“アナウンス委員会”を立ち上げたんです。野球に詳しくない中井美穂を『プロ野球ニュース』で使おうと意見が出たのもここで、“化学反応”を生み出す土壌があった」(露木氏)
そんな露木氏の目から、いまのフジテレビの女子アナをどう見えるのか。
「とにかく大人しい。地上波以外にも自分を伸ばすチャンスは増えたのだから、もっと伸び伸びと番組作りをしてほしいですね」
まだ“蕾”の現役アナたちは今後、個性を咲かせて“大輪の花”となれるか。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号