「総理が要求を突っぱねれば、公明党は間違いなく連立離脱の道を選んでいた。本気で安倍内閣のコロナ対応にNOを突きつけたことがはっきりわかった」(自民党国対幹部)
自民党議員たちはこの動きに震え上がった。それだけではない。公明党の連立離脱には自民党内の“仕掛け人”の存在が取り沙汰されている。
前述のように、自民党で山口氏と連携したのは二階幹事長だが、もう一人、公明党の支持基盤である創価学会側で山口氏に「国民一律10万円支給でなければ選挙は戦えない」と強く要求したのは選挙担当の佐藤浩副会長だとされる。菅義偉・官房長官と太いパイプを持つことで知られる人物だ。
「その佐藤副会長に“連立離脱を持ち出せば安倍は崩れる”と裏で焚きつけたのは菅さんに違いない」(安倍側近)と首相周辺には疑心暗鬼が広がっている。
まさかの公明党内閣の誕生も、そうした自民党中枢の協力があるとすれば、俄然、現実味が増してくる。政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。
「安倍首相は権力の鎧を着ているように見えるが、守りに弱い。党内では二階幹事長に見捨てられ、官邸では菅官房長官に見限られ、盟友の麻生太郎副総理にも距離を置かれて孤立無援。いまや頼れるのは今井尚哉・総理補佐官だけというのが実情だ。しかし、役人1人で政権を守れるはずがない」
安倍政権は首相の体調如何にかかわらず、事実上の“死に体”となりつつあることがわかる。
◆「麻生では国民が納得しない」