この時点、つまり2リーグ分裂以降の13年間で、セパが試合数や引き分けの扱い方など同一条件でペナントレースを戦ったのは、わずか2回しかなかった。

 紆余曲折を経て、1969年から両リーグとも130試合制で落ち着いた。1997年からは135試合制になり、交流戦開始の2005年は146試合制に。2015年から昨年までは143試合制だった。この間も、多少の増減や延長15回引き分けの場合は再試合などのルールも存在した。

 それでも、プロ野球の記録は1950年も2019年も同等に扱われてきた。昨年、新人最多安打が話題になった。近本光司(阪神)が159安打を放ち、1958年の長嶋茂雄(巨人)の153安打を抜き、セ・リーグの新記録を樹立した。ただ、近本は143試合制、長嶋は130試合制と実に13試合もの差がある。日本記録は、1956年の佐々木信也(高橋ユニオンズ)の180安打である。この年のパ・リーグは8球団制であり、154試合を行なっている。試合数が増加しない限り、今後も佐々木のヒット数は抜けないだろう。

 120試合制になる今季、突如として“注釈”の話題が出てきた理由の1つに、高打率が予想されることが挙げられる。NPBのシーズン打率の順位を見てみよう(順位、名前、所属、打率、チーム試合数)

【1位】ランディ・バース(阪神):3割8分9厘、1986年、130試合(出場126)
【2位】イチロー(オリックス):3割8分7厘、2000年、135試合(出場105)
【3位】イチロー(オリックス):3割8分5厘、1994年、130試合(出場130)
【4位】張本勲(東映):3割8分3厘4毛 1970年、130試合(出場125)
【5位】大下弘(東急):3割8分3厘1毛、1951年、102試合(出場89)

 イチローはシーズン210安打の1994年よりも、日本最終年で153安打の2000年のほうが打率は高い。ただし、1994年はフル出場で616打席に立ったが、2000年は8月27日にケガをしたため、105試合出場で459打席に留まっている。

 今年、もし120試合フル出場で、イチローの打率を超える選手が出現し、パ・リーグ記録を作った場合、“注釈”を付けたら違和感が生じるだろう。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン