国内

テラハ問題 誹謗中傷を投稿する人以上に責任感じるべきは?

急逝した木村花さん(写真/Getty Images)

 空中ブランコや富士登山など、体験取材を得意とする『女性セブン』の“オバ記者”ことライター・野原広子(63才)が、世の中の出来事にゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは「匿名で誹謗中傷を繰り返すヤツら以上に責任を痛感すべきは…」。

 * * *
「そんなつもりじゃなかったのに」──。プロレスラーの木村花さんが亡くなり、後ろめたさを感じている人はいまなお、そう思っているのではないか。

 インターネット上での途切れることのない誹謗中傷に押し潰されて、22才の木村さんが命を絶った直後から、彼女に罵詈雑言を浴びせた書き込みのアカウントが次々と消されていったそう。心の中で「やべっ」と舌打ちをしてSNSの画面を操作している連中の姿が見えるようではないの。

 本誌・女性セブン2020年6月11日号で詳報されたように、事の発端は去年の9月。人気プロレスラーの木村さんが『テラスハウス』(Netflix、およびフジテレビ系)に出演したことから始まる。東京のシェアハウスで繰り広げられる、男女6人の共同生活を映し出すこの番組には台本が一切なく、「恋愛リアリティー番組」という謳い文句がついていた。

 その中で、キュートな容姿でズバズバものを言う彼女は、すぐに人気者になる。恋愛に不器用なところも好感度アップにつながった。

 風向きが変わったのは2か月ほど前。メンバーの男性が木村さんのプロレスのコスチュームを誤って乾燥機にかけて縮めてしまったことにキレた彼女の様子が炎上。さらに、YouTubeで《“コスチューム事件”その後》と題する未公開映像が追加で配信されたのだ。すると連日、100件を超す「死ね」「消えろ」「気持ち悪い」──もし私が木村さんの身内なら、書き込みしたヤツ、一人ひとりの正体を世間にさらしてやるッ、と思ったに違いない。

 でも、いまもっと腹が立つのは、自分の身を隠して、遠くから吹き矢を吹く卑怯者じゃない。そんな輩はどこにだっているもの。それより許せないのは、木村さんのキャラクターを「おいしい」と舌なめずりして、世間にさらし続けたテレビ局よ。

 制作から宣伝まで、この番組にかかわっておきながら、「そんなつもりじゃなかった」とは言わせないよ。

 誰にとっても、若いときの恋愛は生き死にと一緒。それをテレビのこっち側で寝っ転がってみるのが、面白くないわけがない。特に木村さんのように直球しか投げない子はハラハラして感情移入しやすいのよね。

 だけど、作り手は、ただ私らの興味を引けばいいってもんじゃない。彼女がカッとしてつい口にした言葉を世間にばらまいたらどうなるか、テレビ局が知らないわけがないのよ。それをコントロールなしで世に出すなんて、あってはいけないこと。

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン