あややとミキティのコラボは当時大きな話題に(2006年9月)

「昭和の女性アイドルから受け継がれる“ブリっ子”的な部分を再現しつつ、“プロフェッショナルなアイドル像”を作り上げたのが松浦さん。可愛らしさとコミカルさを兼ね備えたソロアイドルとして、のちのアイドルブームに与えた影響も大きいですね。それこそ“あやや”というニックネームにインスパイアされて、名前の後ろの文字を重ねたニックネームを付けるアイドルも少くない。“まゆゆ”もやはり“あややインスパイア”と言えるでしょう」(大塚氏)

 そんな2人のアイドルサイボーグが、ともに静かに去っていったというのも興味深い。大塚氏はこんな分析をする。

「松浦さんも渡辺さんも、やはりプロフェッショナルなアイドルだったというのは紛れもない事実だと思います。ファンの前ではつねに完璧な姿を見せるというタイプのアイドルです。

 しかし、体調の問題や私生活の変化などの影響もあり、自分が思い描く完璧なアイドルの姿を見せにくくなっていったのかもしれない。あるいは、アイドル活動のどこかで達成感を覚え、それ以上の姿を見せることができないと感じていたのかもしれない…。そういった状況のもとで、“完璧なアイドルの姿を見せられないのならば、ラストコンサートを開くよりも、静かに去っていく方が良い”と、判断したのではないかと想像します。

 これがもしも自然体の姿を見せていくタイプのアイドルであれば、変化しながら芸能活動を続けていた可能性も高かったでしょう。松浦さんも渡辺さんも、完璧を貫くアイドルだったがゆえの“静かな引き際”だったんだと思います」(大塚氏)

 アイドルとして頂点を極めた2人は、最後まで美学を貫いたのだ。

へそ出しの衣装で熱唱する松浦亜弥(2002年3月、『日本ゴールドディスク大賞2002』)

静かに芸能界を去った渡辺麻友

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