芸能

朝ドラ『エール』、役にシンクロした唐沢寿明と窪田正孝の絆

朝ドラ『エール』主演の窪田正孝を高く評価する唐沢寿明

 窪田正孝(31才)主演のNHK連続テレビ小説『エール』。作曲家・古関裕而氏とその妻をモデルに音楽に生きた夫婦、そして夫婦を取り巻く人々の姿が描かれている。前半のクライマックスに近づくなか、窪田演じる古山裕一とその父親・三郎を演じる唐沢寿明(57才)の親子役に注目が集まっている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 6月8~12日に放送された第11週「家族のうた」では、主人公の古山裕一(窪田正孝)がひさびさに故郷・福島へ帰り、疎遠になっていた父・三郎(唐沢寿明)、母・まさ(菊池桃子)、弟・浩二(佐久元宝)との関係を修復する様子が描かれました。

 三郎は胃がんを患っているにもかかわらず、裕一にゆかりのある顔ぶれを集めて大宴会を行うなど、幼いころから変わらない愛情たっぷりの姿を披露。クライマックスとなる12日放送の第55話では、「三郎が長男・裕一と次男・浩二の不仲を解消するために、優しい言葉をかけたあとに息を引き取る」というシーンがあり、視聴者の涙を誘いました。

 視聴者を涙ぐませたのは、単に「唐沢さんの演技力が優れているから」という理由だけではありません。朝ドラ主演という大役を務める窪田さんを思う唐沢さんの愛情と二人の絆があり、それは放送開始前から随所に表れていたのです。

◆デコボコバディで培った信頼関係

 唐沢さんは放送前に行われた取材会の第一声で、「父親役の三郎をやらせていただきます唐沢もんざえもんです」と真顔でボケて、すかさず窪田さんが「よーっ!」と合いの手を入れるひと幕がありました。

 唐沢さんと窪田さんは2015年、2016年に連ドラが放送され、2017年に映画が公開された『THE LAST COP/ラストコップ』(Hulu、日本テレビ系)で共演。「昭和の型破りな熱血刑事と、現代っ子で小心者の若手刑事」というデコボコバディを長きに渡って組んでいたこともあって息ピッタリなのです。

 放送前の取材会で窪田さんへのコメントを求められた唐沢さんは、「(窪田くんが)やっとNHKの看板をしょってやることになってうれしいです。窪田くんはこれを機にもっともっと主演をやっていかなければいけない年代でもありますから応援していきたいですね」と愛情たっぷりに語りました。

 深読みすれば、「今は主演をどんどんやるべき年代だから応援したい」という気持ちだけでなく、「いずれ僕のように朝ドラの父親役もやると思うから見ておいて」と手本を見せているようにも見えました。だからこそ11週で見せた唐沢さんの演技は、窪田さんにとって印象深く、視聴者にとっても感動的なものだったのではないでしょうか。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン