国内

青汁王子が語るSNS誹謗中傷 基金設立と1億円配布の狙い

この8月、3日間限定でホストに復帰した際の三崎氏(写真/本人のTwitterより)

 昨年2月、1億8000万円の脱税容疑で逮捕された“青汁王子”こと実業家の三崎優太氏(31才)。保釈後、焼き鳥屋でのアルバイトやホストへの転身、脱税したとされる1億8000万円を「贖罪寄付」するという、一連の「青汁劇場」が話題となった。最近も、ホストに復帰したり、SNSでの誹謗中傷を撲滅するための基金を設立しネットをざわつかせるなど、話題が尽きない。事件から約1年半、今何を思い、どうしているのか、本人に聞いた。

 厳しい残暑が続く9月上旬の晩方、待ち合わせの時間ぴったりに現れた三崎氏。事件を微塵も感じさせないさわやかな笑顔で挨拶を交わすと、落ち着いた口調で話し始めた。その物腰からは、SNSで炎上を繰り返す”青汁王子”と同一人物とは思えない、スマートな印象だ。

 三崎氏は、脱税事件によって2019年5月、青汁などの販売を手がける、12年間務めたメディアハーツ(現ファビウス株式会社)の代表取締役を辞任。その後は新会社設立などの話も聞かないため、収入が絶たれたのではと思いきや、YouTubeでは家賃240万円の自宅や、昨年建てたという1億円の別荘を公開している。9月7日にも、100人に100万円を配布し総額1億円を寄付する「死ぬな!生きろ!SNS誹謗中傷撲滅基金」を設立するなど、「続・青汁劇場」とも呼べる羽振りの良い活動が目立つ。一体その活動資金はどこから生まれているのか。

「主に投資で稼いでいます。これから伸びそうな会社の大株主・筆頭株主になって会社を成長させ、企業価値が高まったところでその株を売って、売却益を得ています。以前からそういう会社の株を常に10社ほど持つようにしていたので、会社を辞めても生活に困ることなく、まとまった収入を得られています」

「企業に投資することはぼくにとって貯金のようなもの」と話す三崎氏は、YouTubeで純粋な貯金として3億円の預金額を公開している。それほどお金があるのなら、昨年、今年と2度もホストで稼ぐ必要はなかったのではないか。

「ホストをしようと思ったのは、お金のためではありません。きっかけは昨年の事件です。脱税が報じられて、あることないこと色んな人に言われたり、書かれたりしました。誰もぼくの話を聞かないし、信じようともしない。毎日誹謗中傷を受けて、正直この頃は心底日本に絶望していました。こんな国でお金を稼いでもろくなことないなって。

 でも、このままでは終われない。だったら、自分で真実を語るしかないと、なけなしの気力を振り絞って立ち上がりました。テレビには出演できないし、SNSでつぶやいたところで誰も信用しない。どうしたら主張できるのか考えた結果、まずは興味を持ってもらうことから始めようと思い、焼き鳥屋で働く様子や女装姿などをSNSで発信したんです。ホストをやったのもその一環。もう一度再起できるなら何でもやってやる、そういう気持ちでした。その一連の活動が、話題になった『青汁劇場』です」

 1度目のホストを卒業後、青汁劇場の“仕上げ”として三崎氏は、脱税したとされる1憶8000万円分、100万円を180人に現金で「贖罪寄付」した。これにより、同氏に対する世間の風向きは大きく変わったと感じている。

「もちろん非難もありましたが、それまでのぼくに対する誹謗中傷は徐々に減り、SNSで好意的な声を沢山頂けるようになりました。ぼくは、体調の悪い祖父母まで調査する高圧的な国税局に恨みがあって1年ほど対立していたのですが、そういう状況まで応援してくれるようになって、流れが変わったと感じましたね。まさに絶望のどん底にいたぼくですが、救われる思いだった。だから今度は、自分のためではなく応援してくれる人に恩返ししたい、そういうポジティブなエネルギーが強く沸いてきたんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン