「恵子ちゃんは一人っ子で、家族3人とても仲がよかったのを覚えていますよ。恵子ちゃんは小学生の高学年くらいからテレビドラマに出始めてね。みんなで“すごいねえ”って話してたんです。でもあるときを境に、恵子ちゃんとお母さんだけ引っ越しちゃってね。お父さんは何も言わないんだけど、テレビの仕事が忙しくなったから、仕事がしやすいテレビ局の近くとかに引っ越したんじゃないかって話でまとまったんですよ」

 1972年に両親は離婚。父はもともと口数の多い人ではなかったこともあるが、これから有名になる一人娘のことを気にかけて、離婚の事実を口にしなかったのだという。働き者の父と、それを支える母。娘はブラウン管の中で輝き始めている。傍目には幸せに満ちている一家も、その内情は違っていた。

「いまでいう家庭内別居の状態が、しばらく続いていたみたいですよ。離婚直前の頃は家庭全体がギスギスしていた。先日ブログに書いたビリビリの家族写真は、この頃のエピソードのようです」(戸田の知人)

 戸田はそのブログで「家族写真がすべて破かれていたこと」「そのうちの1枚を、戸田自身が繋ぎ合わせたこと」を記し、《誰が破ったのかは追求しなかった。知ったところで…と冷めていた》(ブログママ)と当時の心境を綴っている。

 破片となった幸せな家族の思い出を、ひとりで元に戻す作業の中で、戸田の「家族観」が構築されていったのだろう。そのとき、両親は戸田にある決断を迫った。別れる両親のどちらについていくかの選択だ。戸田はその現実を、中学生とは思えない冷静な観点で捉えていた。

「どちらかについていくのは、不公平だと考えていたようです。できることなら、3人バラバラに暮らしたい。それが公平だと思っていたようです。でもお母さんが、“恵子ちゃんがいないとダメなの”と娘の前で初めて涙を流したんです。その姿を涙なしに見た戸田さんは、お母さんを支えていこうと決めたようです」(前出・戸田の知人)

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