事務所社長が所属タレントを、大勢の前で罵倒する。一般社会では“パワハラ”とも取られかねない。こうしたスパルタでも彼女が我慢し続けられたのは、サポートしてくれる身内の存在があったから。デビュー当時からマネジャーとして側にいた姉だ。しかし、2017年にその姉が他界すると、小松氏がマネジャーも兼任するようになった。
「この頃から、小松さんと事務所のスタッフが仕事の方針を巡って衝突することが増えたそうです。これまではお姉さんが緩衝材になって、うまくまとめていたのですが、それがなくなったことで事務所内がギクシャクし始めた」(事務所関係者)
前出の浜村さんが続ける。
「少し前に、水前寺さんの事務所からお知らせがあって小松さんが社長を退き、水前寺さんが後任だと。びっくりしていたら、それからしばらくして離婚の報道です。水前寺さんが結局は耐えきれなかったのかな」
公私共にパートナーだったゆえ、仕事の問題が家庭にまで入ってくれば、互いに逃げ場を失う。離婚の決断を下した背景には、こういった経緯があったのだろうか。とはいえ、水前寺も75才で31年間も連れ添った夫婦。このままふたりで過ごせなかったのか、という声もある。熟年離婚に詳しい夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんはこう語る。
「いま、70才以上で離婚する女性は少なくありません。夫の亭主関白な言動に、何十年も耐えてきた妻が、老後は自分の人生を生きたい、と離婚を切り出すパターンが目立ちます。夫が離婚を冗談だとしか思えないのに対し、妻の決意は固いことが多いです。人生100年といわれる時代です。75才の離婚は決して遅くないんですよ」
31年間連れ添った伴侶と別れて、いまの心境はいかばかりか。人を元気づけ、励ましてきた『三百六十五歩のマーチ』を、今度は自分自身に向けてもいいのではないだろうか。
※女性セブン2021年1月1日号
デビュー20周年時、トレードマークの着流し姿で歌う水前寺(昭和59年)