『1周回って知らない話』では、後輩たちの素朴な質問に答えたほか、Snow Man、HiHi Jetsメンバーへのドッキリ企画を実行。昨年末の『嵐にしやがれ 最終回』(日本テレビ系)でも「嵐とやりたいこと」を聞かれて、「思い出を語り合いたい」「一緒に歌って踊りたい」を挙げたほか、表彰状を贈ってフィナーレに花を添えるなど、後輩ジャニーズたちとの共演を重ねています。
東山さんは後輩ジャニーズ絡み以外でも、『人生最高レストラン』(TBS系)で思い出の飲食店を紹介したり、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)で退所した中居正広さんとの共演を実現させたり、『ウッチャン式』で女性のスマートなエスコート方法を見せたり、『おしゃれイズム』(日本テレビ系)で妻子のエピソードを話したり、『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?』(ABC・テレビ朝日系)でクイズ解答者の振る舞いを見せたりなど、ジャニーズとしてのお手本となるような姿を見せ続けています。
嵐への表彰状に書かれた最後の言葉
東山さんが見せるトップとしてのカリスマ性は、ジャニーズらしいスマートな振る舞いだけでなく、迷いのない発言によって高まっています。
たとえば最近の発言を見ても、『1周回って知らない話』で「ジャニーズを辞めたいと思ったことは?」と聞かれて、「考えたことはない。他に行かなくてもここで新しい道を作ればいい」。『おしゃれイズム』で「ジャニーズ事務所を退所した人との関係は?」と聞かれて、「僕らの関係性が崩れることはない」。『アイ・アム・冒険少年』で「ダンスのうまいジャニーズは?」と聞かれて、「1位は錦織、2位はオレ、3位は(植草)カッちゃん。(少年隊は)超えられないと思う」。いずれもきっぱり断言していましたが、これらの発言こそジャニーズトップとしての矜持ではないでしょうか。
そもそも東山さんは54歳にして現役バリバリでありながら、1993年の『琉球の風』でジャニーズ初の大河ドラマ主演を飾り、23年連続公演の『PLAYZONE』でジャニーズミュージカルの先駆者となったレジェンド。嵐に贈った表彰状の最後に、「代表 東山紀之」と書かれていたことからも、「ジャニーズのトップは俺なんだ」という覚悟が感じられます。また、東山さんがトップとしての姿を見せることで、SMAPの解散騒動が起きた約4年前から批判にさらされることの多かったジャニーズのイメージ回復にもつながるでしょう。
東山さんはプライベートでも、年齢の近い後輩だけでなく、「交流を持たせてもらってありがたい」と語るように若手との交流も積極的。年始の番組でも、A.B.C-Zのメンバーや岸優太さんら本人が「東山さんのお宅にお邪魔しました」と気軽にエピソードトークをしていましたが、その他でも河合郁人さんによる東山さんのモノマネを自らセルフカバーするなど、懐の深さを見せています。
そんな「理想の上司」と言える東山さんの存在が、ジャニーズ事務所にSMAPや嵐に次ぐ国民的グループをもたらすのかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。