それからもう一つ、大学のフィギュアスケート部は、未経験者がフィギュアスケートを始める場として最適だと土田さんは語る。
「フィギュア人気の高まりとともに、見ているだけでなく、自分でもやってみたいという人は増えていますが、いざ始めるとなると、どこで始めたらいいのか、誰に教わればいいのか、いくらかかるのかなど、ハードルの高いスポーツです。いま中学生や高校生の方なら、フィギュアスケート部のある大学に入って始めるのは一つの手だと思います。経験者の少ない競技なので、大学のフィギュアスケート部は初心者が多いんです。早稲田や明治などの有力校は経験者がかなり入りますが、初心者からでも始められる大学は多いですし、とくに国公立大学は、8割以上が初心者だったりします。
私の見てきたかぎり、大学から始めても、女子はアクセル、男子はダブルジャンプやダブルアクセルまで跳べますし、大会にも出られます。滑るだけではなく、曲を選んだり、衣装を作るなど、身体能力以外の能力も活かせます。これだけフィギュア人気が高まっているのですから、ファンだけではなく、選手も増えるといいなと思いますね」
海外に目を向けても、世界選手権2連覇中のネイサン・チェン選手はイェール大学で学び、先の全米選手権で2位に入ったビンセント・ジョウ選手も名門ブラウン大学の学生だ。学生スケーターを応援しつつ、自らが学生スケーターになる人が出てくることも期待したい。