芸能

ヤクザ親分役熱演・舘ひろし「僕の中でのモデルは、きっと、渡さん」

舘ひろしがハードボイルド作品だけでなく、ホームドラマやコメディにも挑戦する理由とは

舘ひろしがハードボイルド作品だけでなく、ホームドラマやコメディにも挑戦する理由とは

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏による、週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、舘ひろしが語った、ホームドラマやコメディにも挑戦した理由、公開中の映画『ヤクザと家族 The Family』でヤクザの親分を演じるにあたって浮かんだ渡さんの姿についての言葉を紹介する。

 * * *
 舘ひろしは従来のハードボイルドイメージの作品だけでなく、ホームドラマやコメディなどにも挑戦し続けている。二〇〇七年のテレビドラマ『パパとムスメの7日間』(TBS)では、新垣結衣の演じる高校生の娘と人格が入れ替わる父親役で、外見は舘ひろし、内面は女子高生というコミカルな設定に挑んだ。

「いま僕が七十歳を過ぎて俳優としてやれているのは、あの作品をやる勇気があったからだと思うんです。

 これまで僕を見てきた人たち、ハードボイルドのイメージを持っている人たちはあの作品を観ない。でも、女子高生は観る。それは僕にとって新しい、そして素晴らしいマーケットでした。そう考えると、あの作品に出るべきだという答えになってくるわけです。でも、やはり勇気のいる決断でした。

 僕にオファーをくださる人たちは僕を見て、やれると思ってオファーをくださる。ということは、あとは僕にやる勇気があるかどうかなんですよね。

 この間の映画『終わった人』もそうです。そのタイトルだけで二の足を踏むじゃないですか。それでもオファーしてくるということは、これをやらせたら面白いと思うからそう言ってくださるわけで。ある程度の勝負ができる感覚があれば、よほど酷い台本でない限り、やります」

 一月公開の最新映画『ヤクザと家族』では、現代において段々と生きる場所を失っていくヤクザの親分・柴咲を演じている。

「この作品のオファーをいただいた時、今の時代にヤクザ映画ということで、うちの会社はあまりやらせたくなかった。でも僕はホンをいただいて読んだ時、凄くやりたいと思ったんです。

 基本的に、ヤクザという疑似家族を通して本当の家族を描いた作品だと思った。だから、僕は非常にリスキーだけれどもやる価値があると感じ、やると決めました。やくざが非常に生きづらい社会情勢の中で、病気になっていく柴咲の姿がその象徴として上手く表現できればいいなと。時代の流れの中で、こうやってやくざは死んでいく。その象徴だと捉えました」

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン