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電力不足に喘ぐ北朝鮮、金父子銅像だけに煌々と照明 住民不満

生きている人間よりも死んだ指導者の方に…

コロナで国境閉鎖もありさらに厳しい状況に…

 北朝鮮では例年になく厳しい寒波が襲うなか、多くの市民は深刻な石油や石炭などのエネルギー不足による停電が頻繁に起き寒さに震えている。しかし、各都市の中心部にある金日成主席と金正日総書記の巨大な銅像は一晩中、明るすぎるくらいの照明により煌々と照らし出されている。

 市民からは「庶民は寒さに耐え、すでに亡くなっている指導者の銅像に貴重な電力を惜しげもなく使っている。生きている人間よりも死んだ指導者の方が大事なのか」などと不満を募らせていることが明らかになった。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が現地の人々をインタビューした内容として報じた。

 北朝鮮では昨年1月、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、国境を完全に閉鎖。その結果、主要なエネルギーや生活用品が中国から入ってこなくなり、厳しい物資不足によって、日常生活がままならない状況に陥っている。

 とくに、厳冬期はシベリアからの寒気団の襲来により、水力発電所が機能しなくなる一方、火力発電所は燃料の石炭が不足しており、電力供給は滞りがちだ。首都の平壌での1日に何度も停電が起こっているという。これが地方だと、1日に1時間しか電気が使えないこともあるとのこと。衛星写真で北朝鮮の状況を見ると、夜は完全に真っ暗で電力不足に陥っていることが分かる。

 米中央情報局(CIA)が発行する世界各国の現状を記した「ファクトブック」(2019年版)によると、電力を日常的に使えるのは北朝鮮の全人口の26%だけだ。つまり全人口の2560万人のうち約1900万人が電力を十分に使えない状況に置かれている。

 北朝鮮第2の都市、清津市に住むRFAの情報筋は「ここ清津市では日が暮れると、街全体が完全に暗闇の世界になります。昨年まで幹線道路沿いの企業の看板が照らされたが、今年はすべて消えています。街はゴーストタウンのようになっているが、市中心部の浦項広場の巨大な銅像には煌々と照明がついています」と語っている。

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