●同3位『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系 2021年)13点
【あらすじ】
凶悪殺人の容疑者・高橋一生と事件を追う刑事・綾瀬はるかの心と体が入れ替わる。回を重ねるごとに事件は思いがけない方向に転がっていく——。
「高橋一生が演じる女性の声色や仕草が見事。綾瀬はるかのクールな態度も、ミステリアスな容疑者が乗り移った感じで魅力的。2人の演技対決が楽しめる」(木俣)
「綾瀬の怪しい微笑み、そして『ンモー!』とかわいい高橋。演技合戦と言ってもいい、この2人の意外な顔が見られる脚本に最敬礼」(まつもと)
●4位『ごちそうさん』(NHK 2013~2014年)12点
【あらすじ】
東京で生まれため以子(杏)は両親が切り盛りする洋食屋でおいしいものを目一杯食べてすくすくと育った食いしん坊。そのあふれんばかりの食欲と愛情は、どんな困難なときにも、自分と、め以子の大切な人々を支える原動力に--。
「特別な才能があるわけではないヒロインが、食いしん坊なことを生かして、家族においしい食事を作り続ける温かなホームドラマ。劇中に出てきた料理本も出版されたほど、料理の場面がおいしそうなドラマでした」(木俣)
「東京に生まれため以子が結婚して大阪へ移り住んでからの嫁いびり、戦争とつらいこともあるが、杏の配役がバッチリでカラッと明るくて好き。亡くなった祖母(吉行和子)の魂がぬか床に宿ってナレーションしているのもよかった」(まつもと)
●5位『おんな城主 直虎』(NHK 2017年)10点
【あらすじ】
戦国時代に男の名で家督を継いだ井伊家の当主・井伊直虎(柴咲コウ)が乱世に立ち向かいながら、自ら運命を切り開き、戦国時代を生き抜いた激動の生涯を描く。
「第20回の三浦春馬演じる井伊直親がさわやかに見えて実は…というエピソードを推したい。直親の妻(貫地谷しほり)が「すけこまされた」と騒ぐ場面はこの時代、忍耐を強いられた女性たちの声を代弁しているようで痛快」(木俣)
【プロフィール】
木俣冬/ドラマや映画、演劇などを得意とするライター。著書に『みんなの朝ドラ』(講談社)などがある。
まつもとえりこ/イラストレーター兼ライター。ドラマ、バラエティーなどのイラストレビューの制作を行う。
※女性セブン2021年3月18日号