スポーツ

池江璃花子、奇跡の780日 驚異の回復へと導いた母の「魔法の言葉」

かつてのベストに近づく回復ぶりを見せている(時事通信フォト)

かつてのベストタイムに近づく回復ぶりを見せている(時事通信フォト)

 白血病という大病を乗り越えて掴んだ五輪切符。彼女の“偉業”は、日本のみならず、海外でも大々的に報じられている。彼女が起こした奇跡をひもとくと、その裏には彼女自身の想像を絶する努力、そして最愛の家族の存在があった──。

 こんなにも早い復活を、誰が予想しただろうか──。白血病から復帰した池江璃花子選手(20才)が、4月4日、東京五輪代表選考会を兼ねた、日本選手権の女子100mバタフライで優勝。日本水泳連盟が定める400mメドレーリレーの選考基準(派遣標準記録)をもクリアし、リレーメンバーとして東京五輪代表に内定した。さらに8日には100m自由形も制し、400mリレーの内定を獲得している。

 池江選手が白血病を公表したのは、2019年の2月12日。わずか780日ほどでの歓喜に、ナビタスクリニック理事長で血液専門医の久住英二さんは「奇跡としか言いようがない」として、こう解説する。

「池江さんは2019年の夏に造血幹細胞移植を行っています。これは、手術後に移植した細胞が体を攻撃するGVHD(移植片対宿主病)という疾患をもたらし、食欲はなくなり、筋肉も落ちて、どんどんやせ細っていきます。2年も経っていない状況では、競技に復帰すること自体が難しい。ましてや、五輪代表を勝ち取るタイムを叩き出すなんて信じられません。世界的に見ても『歴史的出来事』といえると思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト