同じラーメン店でも南北で閉店時間が違う三鷹
次に、吉祥寺駅から一駅先の三鷹駅に向かった。最初に駅ビル内の飲食店をチェック。どの店も営業は21時までとなっている。それもそのはず。三鷹駅の住所は三鷹市になるからだ。つまり、駅構内の店は「まん防」の適用外ということだ。
北口に降り立つ。駅前ではテレビカメラが待ち構えている。注目の初日の状況を取材しているのだろう。駅前には大手外食チェーンの本社がある。それなのに、飲食店は「まん防」のため営業は20時まで。時刻は19時50分を過ぎていた。
どの店も閉店の準備にかかっている。20時ごろ、ラーメン店に1人のサラリーマンがやってきた。ドアを開けて店員と話をしているが、結局は入れずじまい。とぼとぼと駅に向かっていった。
派手なネオンに彩られた飲食ビルも人の気配はない。「鍋食べ放題!」の看板が虚しい。灯りの付いている小料理屋も店内では椅子を上げて清掃中だった。通りそのものが静かだ。
駅北口に戻る。駅前のチェーンラーメン店。ここでも店に入ろうとして断られた客がいた。仕事帰りなのだろう。切ないシーンだ。
次に南口へ向かう。こちらはどこも営業中。ビルの2階にある店も客が多い。通り沿いにある大手牛丼チェーンには、店の外にまで客が立っていた。店内は飲食の客とテイクアウトの客でいっぱいだ。
北口で営業を終えていた同じチェーンのラーメン店が、こちらの店では営業中で賑わっている。路地裏に回っても貸し切りの店もあれば、20時を過ぎても客がお酒を楽しんでいる店も。「南北格差」は歴然だ。
こうした現状に、北口の店の関係者からは「南口の店に客が流れてしまう」という懸念の声が上がり、三鷹市民の間からは「南口の店が密になり、感染拡大が心配」と不安の声が挙がっている。適用を除外されたからといって、市民としては歓迎というわけにはいかないのである。